4/20 カムイのうた 鑑賞

アイヌ民族の話ってことで鑑賞。

「熱源」でアイヌ民族の苦悩を知った上で、アイヌの民謡で文化を後世に残した実在の人物の話だったので尚更興味を持った。

明治か大正かの時代、倭人アイヌにやってきて、アイヌを文明の低い土人として蔑み、差別し、無理やり文明化(倭人化)しようとしていた時代。特に印象に残ったのは、古代人の頭蓋骨を調査の為発掘するのと同じ感覚で倭人アイヌ民族の墓を堀あさり、その様を泣きながら抵抗している主人公の姿。差別って怖いなぁと感じた。主人公の少女は試験に合格しているのに学校を落とされ、仕方なく職業学校に行くのだが、そこでも酷い差別を受け、それに抵抗する事はないが、憤りを感じながらも、自分達の文化を守りつつ倭人の文明も取り入れようとする。

そんな生活の中、アイヌの文化、カムイの唄で民族の伝承をしている事を後援する教授が現れて、主人公の少女を後押しし、カムイの唄を元に、アイヌの文明を文字にすることを勧め、自宅に下宿させ執筆活動を続けさせた。が、主人公は病気となり亡くなってしまうという物語。

差別する倭人は酷いと思う反面、保護しようとする人も居たんだという事に、ホッとした。でも、この保護する人達も、多くの倭人達に非難されてたのではないか、そこの所も知りたかった。

アイヌ民族は過酷な歴史を経ている事はわかり、この主人公は薄命で無念だったろう反面、アイヌの中では恵まれていたのだと感じた。