3/24 戦雲(いくさふむ) 鑑賞

題名で興味を持って鑑賞。沖縄諸島与那国島等の自衛隊設備建設のドキュメンタリー。

導入は駐屯地反対のおばぁの唄から始まるのだが、透き通った沖縄民謡っぽい美しい反面、内容が島を戦場にしないでと言う悲痛なもの。これに続いて、アニメで各島々に徐々に設備されていく自衛隊駐屯地の説明。正直、ここまで配備されている事を知らなかったのでゾッとした。戦争が身近に迫ってると改めて感じた。

当然、島の方々はもっと感じるはずで、自衛隊賛成派と反対派が二分していると言う。どちらも戦争に巻き込まれるのは嫌だと言う主張なのだが、外国からの攻撃に対して無防備だと容易に侵略されるし設備を設置すれば攻撃の目標にされるしどちらの言い分も理解できる。このドキュメンタリー映画は反対派に焦点を置いたものだった。恐らく島民の意見そっちのけであれよあれよと設備が建築されている様を見て、政府はヒデー事やるなぁって思わせるためにこの映画つくったのだろう。確かに島民の殆どが反対していたのになし崩しに駐屯地を建設するとか、島民を守る為に設置すると言う当初目的が、外国からの攻撃に対抗する為の兵器、加えて弾薬庫までなんの説明も同意もなく設置し始め目的がだんだん変わって行ったりしているので、政府ヒデーっ思った。島民の反対派の方々、頑張れーって応援したい。

反面、もし設備がなかったら、外国の侵略を止められず、島民は日本国の人質になってしまい、政府に島民を助ける意思があるのなら日本全土が外国の属国になってしまうと言う恐ろしさもある。

島民からしてみれば、外国であろうと政府であろうと有無を言わさず土地を奪っていかれるのだからたまったもんではないだろうなぁ。

感動したのが、島民の若者が率先して島民を集め誘致か反対かの投票を主催していた所。反対か賛成かを柔軟な対応で民主的に決めていく様は日本もまだ捨てたもんじゃないなと思った。

しかし、今でも駐屯地の門前で反対運動している様子も映し出されるのだが、そこには若者の姿は無く、人数も十人に満たないのである。できてしまったものは諦めると言う事なのだろうか。

題名の戦雲。戦争という暗雲と言う事で、要所要所雲の映像が流れるのだが、演出上、青空の雲がだんだんと黒くなって、最後は嵐を彷彿させる暗雲で幕を閉じた方が良かったのではとしろうとながら感じた。